嫡出でない子の法定相続分(民法改正)

 


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民法900条4号ただし書前段の規定の改正


民法の改正により、嫡出である子(嫡出子)と嫡出でない子(非嫡出子)の法定相続分は、同等とされました(民法900条第4号ただし書)。(注1)

平成25年12月5日、改正民法(婚外子法定相続分規定の削除)が参議院で可決、成立しました。
この改正規定は、平成25年12月11日公布され、同日施行されましたが、改正後の民法900条の規定(以下「新法」といいます。)は、平成25年9月5日以後に開始した相続について適用されます。
(注1)「嫡出でない子(ちゃくしゅつでないこ)」とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。

民法の一部を改正する法律案


民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
第九百条第四号ただし書中「、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし」を削る。

附則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。(経過措置)
2 この法律による改正後の第九百条の規定は、平成二十五年九月五日以後に開始した相続について適用する。

理由
民法の規定中嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分の二分の一とする部分は憲法違反であるとの最高裁判所決定があったことに鑑み、当該部分を削除する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

               改 正 前
(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

               改 正 後

四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。


最高裁大法廷平成25年9月4日決定の要旨

 ・
本件は、平成13年7月に死亡した被相続人の遺産分割審判に係る特別抗告事件でした。

① 民法900条4号ただし書前段の規定(嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1である旨の規定)は、「遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していた」。

② 「平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していた」という最高裁の判断は、平成13年7月当時から本決定の間に開始された他の相続につき、民法900条4号ただし書前段の「規定を前提としてされた遺産分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない」。

平成25年9月4日の最高裁判所の決定 裁判所のホームページ


改正以前の「嫡出でない子」の相続分の取扱い


1 平成25年9月5日以後に開始した相続について

新法の規定は、平成25年9月5日以後に開始した相続について適用されます。したがって、改正法の施行日(平成25年12月11日)より前に開始した相続でも、平成25年9月5日以後に開始したものについては、新法が適用されることになります。

2 平成25年9月4日以前に開始した相続について

平成25年9月4日の最高裁判所決定(以下「本決定」といいます。)においては、(1)嫡出でない子の相続分に関する規定(以下「本件規定」といいます。)が遅くとも平成13年7月においては違憲であった、(2)その違憲判断は、平成13年7月から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない、と判示しています。

そのため、平成13年7月1日から平成25年9月4日(本決定の日)までの間に開始した相続について、本決定後に遺産の分割をする場合は、最高裁判所の違憲判断に従い、嫡出子と嫡出でない子の相続分は同等のものとして扱われることになります。

他方、平成13年7月1日から平成25年9月4日(本決定の日)までの間に開始した相続であっても、遺産の分割の協議や裁判が終了しているなど、最高裁判所の判示する「確定的なものとなった法律関係」に当たる場合には、その効力は覆りません。


法務局における不動産登記等の事務の取扱い

平成13年7月1日以後平成25年9月4日までに開始した相続


〔前記最高裁決定〕
① 民法900条4号ただし書前段の規定は違憲無効とされたので、嫡出である子と嫡出でない子との法定相続分は同等とされる。
② 民法900条4号ただし書前段の規定を前提として既になされた遺産分割の協議・合意、遺産分割の審判・裁判等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない。

〔登記先例の取扱い〕
平成25年12月11日以降にされる登記であって、平成13年7月1日以後に開始した相続については、前記①又は②の区分に従って次のように登記事務を処理することになる。
ア.前記②の遺産分割の協議・審判等が確定しているときは、その協議・審判等の内容に従って登記事務を処理することになる。
イ.前記②の遺産分割の協議・審判等がされていないときは、前記①のように、嫡出である子・嫡出でない子の法定相続分は等分として登記事務を処理する。

平成25年9月5日以後に開始した相続


〔民法改正附則(平成25年法律94号)2項〕
改正後の民法900条の規定が適用され、嫡出である子と嫡出でない子との法定相続分は同等とされる。

〔登記先例の取扱い〕
法定相続分は、改正後の民法900条の規定に従って登記事務を処理する。


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