売買の登記

通常の売買契約の締結による所有権移転の場合


売買とは、売主が、ある財産権を買主に移転することを約し、買主が、これに代金を支払うことを約することによって成立する契約です(民法555条)。

売買契約により所有権は移転しますが、売主は、買主に対して財産権移転の義務を負い、買主をして完全に所有権を取得させるのに必要な一切の行為をすることを要します。すなわち、占有を移転し、対抗要件取得のための登記手続に協力しなければなりません。

1 申請人
売買による所有権移転登記申請は、買主が登記権利者となり、売主が登記義務者となって共同で申請するのが原則です(法60条)。

2 申請書の記載事項
申請書の記載事項については、 登記申請書の作成 の「3 申請書の記載事項」をご参照ください。

3 添付情報
添付情報については、 不動産登記申請の添付書面(添付情報) をご参照ください。

4 登録免許税
売買による所有権移転の登録免許税は、課税価格に1000分の20を掛けて、100円未満を切り捨てた額となります。
なお、計算した額が1000円に満たない場合には、1000円となります。

土地の売買による所有権移転の登録免許税は、租税特別措置法72条1項により、平成31年3月31日までの間に登記を受ける場合、1000分の15に税率が軽減されます。

住宅用家屋の場合、租税特別措置法の適用がある場合には、税率は軽減されます。

詳しくは 登録免許税の計算 法務局 をご参照ください。


登記申請書 売買による所有権一部移転 見本


所有権の一部(2分の1)を移転した場合の登記申請書の見本です。
なお、所有権全部を移転した場合の登記申請書は、 登記申請書の作成 の「登記申請書 売買による所有権移転 見本」をご参照ください。


             登 記 申 請 書

登記の目的  所有権一部移転(注1)

原   因  平成○○年○月○○日売買

権 利 者      東京都杉並区○○三丁目22番1号
      (住民票コード12345678901)(注2)
      持分2分の1 山田 修(注3)

義 務 者      東京都渋谷区○○六丁目25番8号
        株式会社成田不動産
      (会社法人等番号 1234-56-789012)(注4)
      代表取締役 成田 節

登記識別情報(又は登記済証)を提供することができない理由(注5)
□不通知 □失効 □失念 □管理支障 □取引円滑障害 □その他(   )

□登記識別情報の通知を希望しません。(注6)

添付情報
  登記原因証明情報   登記識別情報   印鑑証明書
  住所証明書      代理権限証書   会社法人等番号(注7)

平成○○年〇月○○日申請 東京法務局杉並出張所

申請人兼義務者代理人    東京都杉並区○○三丁目22番1号
               山田 修  ㊞ (注8)
            連絡先の電話番号 ○○-〇○○〇-○○○○

課税価格   移転した持分の価格(注9)
      金296万7,000円(注10)

登録免許税  金4万4,500円(注11)

不動産の表示
所   在  杉並区○○三丁目
地   番    116番9
地   目    宅地
地   積      148・46平方メートル


(注1) 登記の目的は、「所有権一部移転」とします。
(注2) 住民票コードを記載した場合は、添付情報として住所証明情報(住民票の写し)の提出を省略することができます。
(注3) 権利者の取得した持分を記載します。
(注4) 申請人が会社法人等番号を有する法人であるときは、会社法人等番号を記載します。ただし、作成後1か月以内の法人の登記事項証明書を添付した場合には、会社法人等番号の記載は不要です。
(注5) 売主が登記識別情報又は登記済証を提供することができない場合は、その理由の□にチェックをします。
(注6) 買主が登記識別情報の通知を希望しない場合には、□にチェックをします。
(注7) 申請人欄に会社法人等番号を記載した場合には、「会社法人等番号」と記載します。作成後1か月以内の会社の登記事項証明書を添付した場合には「登記事項証明書」と記載します。
(注8) 代理人によって登記の申請をする場合は、代理人の住所、氏名を記載し、押印します。ここに押す印は認印でもかまいません。
(注9) 所有権一部移転や共有者の持分の移転の場合には、「課税価格  移転した持分の価格」と記載します。
(注10) 課税標準となる不動産の価額を記載します。課税価格、登録免許税の計算方法は
登録免許税の計算 法務局 を参照してください。
(注11) 土地の売買による所有権移転の登録免許税は、租税特別措置法72条1項により、平成31年3月31日までの間に登記を受ける場合、課税価格に1000分の15を掛けて、100円未満を切り捨てた額に税率が軽減されます。
なお、計算した額が1000円に満たない場合には、1000円となります。

詳しくは、上記「登録免許税の計算 法務局」を参照してください。


登記原因証明情報 売買による所有権一部移転 見本


これは、売買契約書がない場合又は提出できない場合に、契約の内容を記載した書面の見本で、「
報告形式の登記原因証明情報」といわれています。この書面は、当該申請のためにのみ作成された書面ですので、原本還付の手続ができません。


             登記原因証明情報

1 登記申請情報の要項
(1) 登記の目的  所有権一部移転
(2) 原   因  平成○○年○月○○日売買
(3) 当 事 者      権利者 東京都杉並区○○三丁目22番1号
               持分2分の1 山田 修
・           義務者   東京都渋谷区○○六丁目25番8号
                   株式会社成田不動産
(4) 不動産の表示
・     所   在  杉並区○○三丁目
・     地   番    116番9
・     地   目    宅地
・     地   積      148・46平方メートル

2 登記原因となる事実又は法律行為(注1)
(1) 平成○○年〇月○○日、山田修と株式会社成田不動産は、上記
   不動産の所有権持分2分の1につき、売買契約を締結した。(注2)
(2) よって、平成○○年〇月○○日、株式会社成田不動産から山田修
   に上記不動産の所有権の一部(持分2分の1)が移転した。(注3)

平成○○年〇月○○日 東京法務局杉並出張所

   上記の登記原因のとおり相違ありません。

           権利者 東京都杉並区○○三丁目22番1号
               持分2分の1  山田 修  ㊞(注4)

           義務者   東京都渋谷区○○六丁目25番8号
                   株式会社成田不動産
                 代表取締役 成田 節  (注4)


(注1) 所有権の一部を処分した登記義務者と移転を受けた登記権利者は、不動産を共有します(民法249条以下)。
登記原因証明情報には、売買による所有権一部移転の事実又は法律行為である以下の事実を記載します。
① 所有権一部売買契約の事実
② 所有権が一部移転した事実
(注2) 売買契約締結の事実を記載します。売買契約締結日が登記原因年月日となります。
(注3) 所有権の一部が移転した事実を記載します。
(注4) ここに押す印鑑については、別段の規定はありませんので、実印である必要はありません。


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