発行可能株式総数の変更の登記手続
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「発行可能株式総数」とは、会社が発行することができる株式の総数のことで、定款に記載されなければならない事項であり、「発行済株式の総数」(会社が実際に発行している株式の総数)と共に登記事項証明書に記載されています。定款の記載事項とされていることから、この変更は、株主総会の特別決議によって変更することができます。
発行可能株式総数の変更登記は、会社が募集株式の発行(新株発行)によって増資をしようとするときに、発行可能株式総数の全部が発行されている(「発行可能株式総数」と「発行済株式の総数」が同数になっている)場合や、その大部分の株式が発行されていて未発行の株式が少なくなっている場合に、前もって、発行可能株式総数を増加して未発行の株式枠を確保しておくために行われることが多くあります。
公開会社(株式の譲渡制限規定のない会社)が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、「発行済株式の総数」の4倍を超えることができないという上限がありますが(会社法37条3項)、非公開会社(全ての種類の株式につき譲渡制限規定のある会社)には、このような上限の制限はありません。中小企業のほとんどは非公開会社です。
有限会社の場合
特に、有限会社の場合は、会社法が施行された日(平成18年5月1日)に、登記官の職権で、「発行可能株式総数」と「発行済株式の総数」が同数で登記されていますので、すでに授権資本枠いっぱいに株式が発行されていることになります。
したがって、有限会社が会社法施行後に初めて増資をする場合には、株主総会において定款を変更し、発行可能株式総数を増加させておくことが必要になります。
なお、有限会社は公開会社ではないので、増加する発行可能株式総数の上限はありません。
この変更登記は、「募集株式の発行(増資)」の登記と同一の申請書で、一括して、同時に登記申請することができます。
発行可能株式総数の変更登記の申請手続き |
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1 登記の申請期間
株式会社が株主総会の特別決議で定款を変更して発行可能株式総数の変更をしたときは、2週間以内に、その本店の所在地において、その変更登記の申請をしなければなりません。
2 登記すべき事項
発行可能株式総数の変更の登記において、登記すべき事項は、
・① 変更後の発行可能株式総数
・② 変更の年月日 です。
別紙 登記すべき事項の記載例
・「発行可能株式総数」1万株
・「原因年月日」令和1年5月10日変更
3 発行可能株式総数の変更登記に必要な書類(添付書面)
・株主総会議事録
・株主リスト
・委任状(代理人によって登記を申請するとき)
4 登録免許税の額
・発行可能株式総数の変更の登記の登録免許税の額は、本店の所在地においては、申請1件につき3万円です。
・なお、登録免許税は、発行可能株式総数の変更と、商号の変更、目的の変更、公告をする方法の変更等を同一の株主総会の決議をもって行ったような場合に、これらの変更登記を同一の申請書で申請すると1件分3万円となり、登録免許税を節約できます。
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